とんかつ すぎ田
僕は、とんかつすぎ田は一種のエンターテイメントのお店だと思っている。

お店に入ると無垢ヒノキのカウンターが僕たちを迎えてくれ、香ばしいお 茶がそっと出される。素敵な歓迎だ。
おすすめはとんかつ ロース。
店主の佐藤さんがこれでもかという分厚さで 切られたロース肉を、温度の違う2つの銅なべを使い分けながらゆっくり 火を通していく。
妖しく光る銅なべの中で、黄金の油が肉ををとらえて離さない。
僕はその光景から目が離せない。
すっかり良い色になったロース肉に佐藤さんがサクッサクッと音を立てな がら包丁を入れていく。気付くと僕の目の前には美しい姿に変貌を遂げた “とんかつ” をがいるのだ...
サイドを固めるのはとんかつ界の名脇役キャベツ。新鮮でシャキシャキな キャベツは個人的には胡麻ドレッシングよりも、ほどよく酸味の効いたと んかつソースでいただきたい。
そしてツヤツヤのご飯と豚汁。これがまた果てしなく美味いのだ。 佐藤さんによるととんかつはご飯とお味噌汁と食べるから和食なのだと言 う。

あっという間に極上の時間を平らげてお店から出ると目が覚めて、すぎ田 の魔法にかかっていたことに気づく。
あぁなんて美味しいエンターテイメントなのだろう!( 橋原 )