南洋堂
カレーと古本の街・神保町。名の知れた古書店がずらっと並ぶ通りから少し離れた一角に、南洋堂のビルはある。古書も新書も揃う、建築専門の書店だ。
中は3フロアー。1階は建築家の作品集やガイドブック、2階には設計資料や住宅関係の書籍が並んでいる。決して広くはないけれど、無駄のない内装とU字型の吹き抜けのおかげで圧迫感がない。
私のお気に入りは通りに面した大きな窓。外からは重厚な外壁との対比を楽しめ、店内には穏やかな自然光が射し込む。顔を覗かせるイチョウの木も都会の喧騒を忘れさせ、居心地の良い空間で本を選ぶことができる。
土曜日のみ入れる3階へ足を運んでみた。屋根裏のようなスペースに、吟味されたした古書がずらりと並んでいる。埃ひとつかぶっていないヴィンテージの本。その一冊一冊にスタッフたちの愛情を感じられ、それらはいつか誰かの手に渡るのを生き生きと待っているように感じられた。なんだか普段は入れないお父さんのプライベートスペースに忍び込んだよう。
ふと手にとった、モノクロ写真と幾何学的な図面が美しい洋書を手に入れた。

かっこいい建物を見て無性にワクワクするのは私だけではないはず。見るだけじゃもう物足りないと思い始めたらぜひここへ。外観の重厚さに臆することなかれ。一歩踏み込めば、どなたでも楽しめるようにという心遣いとさらなる建築の魅力にノックアウト間違いなしだ (後藤)